高田梢枝 - メダカが見た虹   (2007.05.23)

アコースティックギターアルペジオから静かに歌いだされる。

子供の頃の夢
自分が何物か見つけようとする旅の始まり。
それは、自分を何者も変えられないものとして確立しようとする自己愛と
その裏返しの自己嫌悪。

「愛」 「希望」「幸せ」 「強さ」 「優しさ」 人に語るには、ちょっと気恥ずかしい言葉の数々。
それを、卑近な「バケツの中のめだか」即物的な「泡を吐く」にたとえる詩の意外さ。

自分の願いと想いを 夕焼け、空、雨、虹 と歌い継いでいきます。

それを飾り立てることなく、まっすぐに歌う姿勢がいい。
感情を押しとどめた歌い口が、詩の中身を、より訴えかけてきて、何度も繰り返し聞いてしまいました。

アレンジも、素敵です。
フォーク調で始まるけど、飛び跳ねるようなベースから、アコースティックギターの絡み合いにディスコ全盛時によく聞いたエレキギターのカッティングで色付けが入り、サビから間奏では、再び、ベースが強調され、単音、和音のアコギが、爪弾かれる。
ここは、フランスワールドカップの公式曲を歌った、セネガルユッスー・ンドゥールを思わせるアフロポップの味も。

切なくなりがちな歌詞を、伸びやかに聞かせているのは、単純な8ビートやバラード調にしなかったアレンジヤーの「妙」でしょう。
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