糸旬香 - Jewelry day 7月4日発売聞いてみた。

糸旬香 彼女の歌唱力が、同世代の歌手の中で、ひとつ抜けた存在であるのは、誰もが認めるめるところでしょう。
私も、去年の「melody」を聞いて、やられちゃった一人です。
あの頃は、まだ彼女も、注目新人の一人ではあっても、歌手としても自分の未来に不安を持っていたと思う。
それを振り払おうとする「必死さ」が、あの歌には、強く感じられて、その一途さが魅力のひとつでした。
その後、「Real voice」「三日月」のヒットで、彼女は、自信を得た。小さな体に似つかわしくないパワフルな歌声、ハリのある低音からまっすぐ伸びる高音の表現力の豊かさに、みな、舌をまいた。
けど、そのあとコブクロとのデュエットで、最高潮に達した自分に対する「私はできる」という意識の強さ、自分の豊かな声や音を巻いてみたりするようなテクニックを強調するような歌い方になっていき、「melody」の頃の若者に特有の「自分の位置に対する不安」「何かをかなえようとする必死さ」が、失われてしまっていた。
その「大御所」のような歌い方に、鼻につくものを感じていました。あの圧倒的な歌声があるからこそ、揺らいだり、崩れそうになったりする未完成な年代を表現してほしかった。

今回の「Jewelry day」は、久しぶりの快作。
アコースティックなギターピアノをバックに、丁寧でまっすぐな歌い方が戻ってきました。
その強制されているかのような抑制ぶりは、聞き手を彼女の世界に浸らせる大きな力になっています。
彼女は歌がうまい。ここって時に、かいま見せるから、ジーンと来るんで、ひけらかすように大開帳しなくてもね・・・