羅臼町の海岸隆起の原因など 

原因は、大規模な地滑りであることがわかりました。

 でも地滑りによって、土地に隆起する部分があること、まして、それが、海岸付近で起こり、海岸部分だけを長さ500m、高さ10m以上も隆起させるなんて考えつく人はあまりいないでしょう。

私も、原因が分からず、25日朝に「大変だぁ!」と書き付けてしまいました・・・(汗)

原因が分かったところで、大騒ぎに至った顛末を書いておきたいと思います。

25日の朝、手元の情報は、朝日新聞北海道新聞、読売新聞、NHKのWEBサイトでした。

その情報からの判断は、
1 隆起の規模は、長さ500m、幅30mで普通の土砂災害の規模より大きい。

2 隆起の高さは、10〜15m。自然界で、隆起するのは、特別な力が働いた場合。しかし、地震でこれだけ隆起するのは、とんでもない大地震でしかありえない。また、ずれる断層も数百キロ以上になるはずで、500mなんてことはあり得ない。

3 変化の時間は、24日の朝から夕方までで起こっている。マグマの上昇では、この時間経過でも起こり得るのかもしれないが、スロースリップと呼ばれる「ゆっくり地震」は、もっと長い期間での変動だろう。

4 隆起にあたって、音や振動、匂いなどがない。火山、地震活動であれば、それらが必ずあり、地殻変動のデータも気象庁などの観測地点で、捉えられるはず。

5 あと考えつくのは、巨大崖崩れだが、これは、上から落ちてくるのだから現場で見ていれば、必ずわかるはず。それに、隆起した部分には、海藻やウニなどがくっついている。海岸や海中にあったことが写真でわかる。また、崖の土砂と隆起した部分とは、明らかに違う。

ここまでで、「これは何か理解できないことが起きている!!」となってしまいました。

このときに、一部のメディアで、「近くでがけ崩れも起きている。」という情報があったのだけれど、現場の写真を見て、崖崩れで、海岸が埋まったのではないと思いこんでいたので、この情報には注目しなかった。

また、報道された現場の映像は、隆起した部分を写したものだけだった。ここをもっと注意深く考えるべきでした。
次の日北海道新聞に載った、上空からの映像を見たら、これは、地滑りであることがはっきり分かるものでした。

https://youtu.be/8v6sAzBVvyo

《教訓》

1 知ってると思っていることでも、起きる場所や表れ方で、理解不能なことに見える。

2 変化の起ったところだけでなく、もっと広い範囲で見ることが大事。

3 崖崩れがあった。という情報を、存在しないないもの、関係ないないものと決めつけてしまった。地滑りの頂部は、崖崩れに見える。ある情報を安易に捨ててしまわないで、判断に活かすこと。

《補足》
地滑りにも、「層滑り」と「円弧滑り」があるそうで、滑った面が、平らか、丸いかで滑り方が違ってくるらしい。
滑りの先端が隆起するのは、円弧滑りに思えるが、今回がどちらであるかは、議論があるらしい。
地滑りの起り方については、滋賀県のホームページが分かりやすい。
静岡大学の小山先生のツイッターに紹介されいました。
「地すべりとは」