小笠原沖地震の不思議〜海洋研究開発機構のコラム

 6月1日の日記で、「5月30日に発生した小笠原諸島西方沖の地震は、めったにないもので、専門家の解説をお願いしたい。」と書きましたが、

 海洋研究開発機構の 地球深部ダイナミクス研究分野  大林 政行 主任研究員によるコラムが、12日にアップされました。
小笠原沖地震の不思議
http://www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/20150612/

 神戸大の石橋教授の「よくある地震」という、当初の見解(その後、修正)には、少しめげましたが、大林さんのコラムでは、プレートテクトニクスの現段階の「常識」が、わかりやすい資料で解説されています。
 また、同じ太平洋プレートの沈み込みでも、日本周辺とトンガでは、沈み込んだプレート(スラブ)の行き止まって滞留する部分(スタグナントスラブ)の深さが違うことなど、新鮮な知見もありました。
 地下で滞留したスラブ(スタグナントスラブ)の動きの把握にこの地震が寄与するのではないかと思っています。また、それが、その下の下部マントルの動きと上部マントルとの関係(下部マントルの上部マントルへの湧き上がり=プルームなど)にも発展しそうで、さらなる解析が待たれます。

 地球科学が、また、楽しくなってきました。