下田市須原の法雲寺の如意輪観音

 
 下田市須原の法雲寺で33年ぶりに特別開扉(かいひ)が行われている如意輪(にょいりん)観音を見に行ってきた。
 この観音様は、頭と胴体を一材で造った一木造(いちぼくづくり)で、内側をくりぬいていない、首を傾けていないといった特徴から平安時代でも比較的古い10世紀の像である可能性があり、東日本で最古級の木造の如意輪観音で貴重な仏像であるとのこと。
 
焼香して、今日は、住職が、撮影もよいと許可してくれたというので、ありがたく、撮影させてもらっていると、声をかけてくれる人が… 振り向くと、住職さんは、高校の同級生ではないか。
 法衣姿を見たことがなかったので、まったく気がつかなかった。おかげで、この観音さまがここに、鎮座するまてわのいきさつなど聞くことができた。
 古くは、もっと山深く登ったところに、お堂があり、そこに祀られていたとのこと。たぶん、真言宗などの密教の信仰者が建立したものではないか、という。
 ゴータマの教えは、いわゆる「大乗」やヒンズー教、中国、日本の土着信仰に影響され、あまりに、押し広げられ過ぎていて、「仏教」という言葉で、理解するのは、大変だ。
 密教のマンダラほ、近代心理学の深層心理とつながっていたり、苦行の末に見える自己の客体化(いやゆる幽体離脱)は、自己統合を司る大脳機能の低下と関係していたりと、人間の解明に役だっている。
 
見学の帰り、改めてそんな不粋なことを思い出しながら、里の小道を下っていました。

 
普段は、こちらに安置され、この逗子に存置されています。